檻の羊

夜になってもめーくんのことばっかり考えてしまってなかなか寝つけなかった。

脳がずっと覚醒している状態で、スマホから鳴り響く目覚ましのアラーム音がいつにも増して不快だった。

「クレハちゃん、おはよ」

「おはよ」

「…なんかあった?顔色悪いよ」

「わ。ほんとじゃん。具合悪いん?」

登校してきた風子ちゃんと秋夜くんが、机に突っ伏している私の顔を覗き込んでくる。
頭の中がぐるぐる回っているみたいで気持ち悪い。

「寝不足」

「なーに夜更かししてんだよ」

「うっさい。さっさと座れば。足、しんどいんでしょ」

「やっさしー…のか?」

「クレハちゃん、大丈夫?早退したほうがいいんじゃない?」

「平気。ありがと」

早退なんかしたらめーくんに会えない。
会えなかったら昨日のことも取り消せない。

めーくんだって、もう終わりみたいな発言に後悔してくれているかもしれないのに。