檻の羊

「だからね、私が暇になっちゃったの」

「学校に居たって余計つまんないだろ」

「学校に居るほうが楽しいよ」

「暇なのに?」

「だって家にはめーくん、居ないじゃん」

「…ああ、そっかあ」

「否定しないの」

「お前んちに居ないのは事実だからなぁ」

「そうやってずるい答えばっか」

「事実でしょー」

「ここに来ればめーくんに会えるから嬉しいって言ってるんだよ?それについてはどーなの!」

七月が迫ってきて、気温はどんどん上昇してきている。
生徒達の制服も夏服に切り替わった。
めーくんはつなぎの上半身だけを脱いで、袖を腰で結んでいる。
インナーとして着ている黒いTシャツは無地。
夜みたいだと思った。