檻の羊

「何してんの」

「ドキドキする。心臓爆発して死んじゃうかも」

「お前は俺を困らせたいの」

「バレたらヤバイね。生徒だし未成年だし。犯罪教師だって罵倒されちゃうね。人生終わっちゃうね」

私は何を言っているのだろう。
大好きなめーくんに、めーくんのせいみたいな言い方をして。

気を引きたくてやった行動?
嫉妬って、こんなにも人を狂わせてしまうの?

私がやっていることは、大好きな風子ちゃんを苦しめている嫌がらせとおんなじことなのに自分を制御することができない。

止められないめーくんへの暴走。
私だけを見て欲しい。
他の女の話なんてしないでよ。

「何が目的なんだよ。お前になんのメリットがあんの」

「私を好きになってください」

「宵が成人になったらなー」

スッと出た言葉。
もうバレバレだったと思うけれど、私の一世一代の告白とファーストキスはあっさりと年齢の壁に打ち砕かれる。

「無理。待てない」

「…はぁ。いい加減にしろよ」

「なんで」

「あのなぁ、俺にだって守んなきゃいけない理性と欠けらほどの倫理観くらいあんだよ」

「どういう意味」

「ハマんのが怖いって言ってんの」