檻の羊

めーくんの表情はずっと硬いままだった。

もう散々、私に酷い目に遭わされているくせにあっさりと信じてしまうところ、可愛いなって思う。

見慣れた技術室。
めーくんのお城。学校で一番好きな場所。

工具や、私は学校でしか見ることも触ることも無い機械。

危険性や安全な使い方を教えているのはあなたなのに。
白居羊せんせ。

ちょっと無防備過ぎですよ。

「めーくん。私ね、初恋だったの」

「…重いなぁ」

「めーくんはきっと後悔するよ」

「もうしてるよ」

「…絶対にするからね。後悔。私以上にめーくんに心臓壊される子、居ないんだからね」

「あー…重たいなぁ…ほんと」

「お別れだね。あのね、大好きだったから。離れるのは寂しいけど離れてる時間も頑張れるように。ちゃんと心の更生ができるように、最後にギュッてしてもいい?」

「だからそれは…」

「じゃなきゃ私の中できちんとお別れできない!こんなこと、私も終わりにしたい。ここでちゃんと恋を終わらせたい。次に進む為に、終わりのスイッチをめーくんが押してよ」