檻の羊

適当に校内を歩き回ったり、運動場でどこかのクラスがやっているソフトボールの授業を遠くから眺めたりした。

学校全体を使って、一人で壮大なかくれんぼをしているみたいでなんだか楽しかった。

三時間目が終わるチャイムがなったら素直に教室に戻った。
風子ちゃんと秋夜くんは当たり前みたいに自分の席に座っていて、きっと遅刻してでもちゃんと数学の授業を受けたのだろうと思った。

「クレハ、お前どこ行ってたんだよ」

隣の席の男子に話しかけられて「かくれんぼ」って答えたら、変な奴だと笑われた。

四時間目は理科。
今は原子とか分子とか、化学変化がどうとかってことを習っている。

私にとってはもはやどうでもいいことだ。

明日地球が爆発しようが世界中の木々が枯れようが、一切酸素が無くなって窒息死したとしても私の世界の中心はめーくんなのだから。

今の世界がだめになるのなら新しい世界で廻り直せばいい。
その世界にも新しい生物なんて必要ない。

四時間目は時間の進むスピードが恐ろしく遅く感じた。

科学なんてどうだっていいと思っているのに私は今、相対性理論について激しく考えている。

技術の時間は一秒で終わってしまうのに、
めーくん以外の授業は何十時間にも感じるのだから。