檻の羊

三時間目はとっくに始まっている。
大嫌いな数学の時間だし、今から戻っても戻らなくてもどうせお説教はされるのだからもうどうでも良くなった。

風子ちゃんと秋夜くんも戻らないだろう。

カップルのお節介に巻き込まれたみたいでなんだか腑に落ちない気はするけれど。

それよりも昼休みが待ち遠しくて仕方ない。

今日の時間割に技術は入っていない。
教科のたびに先生が変わるから、朝のホームルームが終わったらなかなか会えないのは、結構いつも酷だと思っていた。

たった数時間会えないだけでこんなに辛いのに、織姫と彦星はどれほどの忍耐力なんだろうとくだらないことを考えてしまう。

早く会いたい。

もうすぐ人生で一番最高の時間が訪れる。

大好きな人が私だけのものになる瞬間。
私はこの日の為に生まれてきたのだと強く思うだろう。