檻の羊

「クレハちゃんと仲直りしたいの」

「喧嘩なんてしてないよ」

「ちゃんと謝りたい。親友なのに酷いこと言ったよね。目の前であんな事故が起こってしまって怖かったのはクレハちゃんなのに。本当にごめんなさい」

「俺もごめん。クレハは俺らの話聞いてくれて、きちんと叱ってくれたのに。俺らはちゃんと話を聞く前に疑ってしまった。友達なのに…」

「ねぇ、全部ね。ちょっとうざいかも」

「クレハちゃん?」

「なんかね、…ああ、そっか。私たぶん最初からずっと、ちょっとずつなんかムカついてたのかも」

「クレハ。今度こそちゃんと全部聞くから。お前の感情も抱えてるものも全部聞くから」

「あっはは!何、その言い方。ちょー上から目線」

「クレハちゃん。私ね、怖いの。どんどんクレハちゃんが知らない子になっていっちゃうみたいで。羊先生を好きになって、六花先生とのことがあってからだんだんクレハちゃんが壊れていくようで…」

「めーくんみたいなこと言わないでよ!」

狭い倉庫内。

どこにも行けない叫びを、二人もどう扱っていいのか分からないみたいに困った顔をした。