檻の羊

「ふふ。分かりました。私も今日は本当の本当に真面目なんです」

「お前はマジで気が()れてんだな。なんで平気でそんな態度…」

「めーくん。自分の体裁を守る為に私を突き出せないんでしょう」

「それは…」

「安心して?あのね、今日は″担任の先生″だから、話したいことがあるの」

「今じゃだめなのか」

「だってもうすぐ一時間目始まっちゃうし。めーくん、私ね。三年生になったら転校しようと思うの」

「…え?」

「昨日、うちに帰ってからすごく後悔した。すごくすごく後悔して、大好きだった人をこんな目に遭わせて…死にたくなった。それでね、ママに相談したの。私、学校が辛いって。大ごとにはしたくないから学校には言わないでって説得したんだけど、学校に居場所が無い。こんなんじゃ来年からの受験勉強も頑張れないって嘘ついちゃった」

「なんでそんなこと」

「めーくんを守る為だよ」

「どういうこと」

「めーくんは私が居たら幸せになれない。六花先生も、きっと怖くて復帰できないでしょ。だから私は消えることにした。大好きな人の為に。めーくん、私がどれだけの想いであなたのことが好きだったか。これが私の覚悟だよ。大好きな人の為なら私はなんでもできる。だから最後にこの件のことも、話を聞いて欲しいの。だってこんなこと、最初に担任の先生に相談するのは普通でしょ?最後に私のわがまま、聞いてください」

「………分かった」

「ありがとう!めー…羊先生。じゃあお昼休みに技術室で」

「ああ」