UN-EQUAL ―不揃いな色の旋律 ―

「では、今日はコレまでです。部活動見学まであと30分ありますのでお昼休みとします。自由に過ごしてくださいね」

三、四時間目が終わり、ホームルームも終わって担任はそう言って教室を出ていった。

僕は自己紹介の時の失敗のせいで、今日一日話題の的だった。

……けれど、もう一人クラスの話題に上がっている子がいた。

藤室(ふじむろ) 陽毬(ひまり)くん。
朝の入学式でジロジロ見て睨まれた美少年だった。

見た目から、僕と同じように声が高いのかななんてかすかな希望を持ったけれど……勿論そうじゃなかった。

少し高めではあるものの声変わりはちゃんと終わったような声。

なのになぜ藤室くんが的にされているのかと言うと……。

『藤室 陽毬。てめぇら俺の容姿のことでなんか言ったらぶっ飛ばすからな…仲良くするつもりはねぇから』

彼のそんな乱暴な自己紹介にクラスは騒然。唖然。

次の休み時間には僕と藤室くんは遠巻きに見られるようになってしまった。

「なぁ、影野」

藤室くんのことを思い出していると、僕の名前が呼ばれた。

顔を上げると、そこには男女の最初の休み時間からどんどん賑やかになっていったグループ、僕を馬鹿にした男子がいるグループに机を囲まれていた。

僕は思わず肩を縮めて聞こえなかったふりをするように下を向いた。

「おいおい、無視すんなよ〜」
「お前さ、なんでそんなに声たけえの?」

下を向いて無言を貫く僕に、冷やかしの声は大きくなる。

鋭い視線を全方向から感じた。
きっと、クラス全員が僕に注目している。

「なんだなんだ」「影野じゃん」とヒソヒソと囁かれ、クスクスと笑い声が聞こえる。

「おい、いい加減こっち見ろよ!質問してるだけだろ!?」

自己紹介のときに僕を馬鹿にした男子が声を荒げた。

その声にクラスは騒然とした。

「なんとか言えよ!」と苛立ちを僕にぶつけてくる男子を同じグループの子たちが宥めている。

僕はその隙を見てカバンを手に取り、教室を抜け出した。