UN-EQUAL ―不揃いな色の旋律 ―

「じゃあ、まずは全員で合わせてみようぜ」

光琉先輩はそう言って立ち上がった。

「機材はあっちに揃ってるし、せっかくメンバーが揃ったんだし一度だけでも合わせてぇ」

たくさんの楽器が置かれているところに光琉先輩は足を進める。

他のみんなも立ち上がったので、僕も戸惑いながらも渋々ついて行った。

「機材、ちょっといじらせてくれ」

冬馬先輩はそう言うと、さっさとミキシングコンソールの前に移動する。

「ドラムの叩き心地試していいか?」

藤室くんが光琉先輩にそう尋ねる。

「……どんだけデカくても漏れない防音機能設置されてるらしい」

光琉先輩が答える前に、要先輩がそう言う。

「オーケー」

一言そう言うと、カバンの中から細長いケースを取り出す。
その中からドラムスティックを取り出した。

「え!藤室くん、それ持ち歩いてんの?」

驚きのあまり、気がついたらそう質問していた。

ああああ!僕、藤室くんに嫌われてるかもしれないのに……!

「ん……あぁ。機会があったら自分ので叩きたいし」

けれど、そんな心配は杞憂で少し笑いながらそう返事してくれた。

よかった〜〜〜〜!

ほっと胸を撫で下ろしながら、安堵の息を大きく吐く。

「……」

要先輩はと言うと、無言でベースに触れて基本を確認するような動作をする。

「じゃ、俺はキーボードでいいか。律、マイク」

光琉先輩はそう呟いた後、僕にマイクを投げてくる。

って!いつの間に律呼びに変わったんだ……!?

「一旦音声チェックで歌ってみろよ」
「えっ!」

光琉先輩の急な提案に、驚きで思わず声を漏らした。