UN-EQUAL ―不揃いな色の旋律 ―

「あぁ、朝飯な、律の入学祝いだよ。それに、よく見てみろよ。このメニュー、全部母さんが作ってくれた二人の大好きなやつだろ?」

そんな事を考えていると、僕の反対側に座った結弦がそう言った。

結弦の言った通り、テーブルに並ぶ料理はよく見ると両親の好物だった。

サンドウィッチ、手作りのポタージュ、ゆで卵が乗ったサラダ。
全部全部好きだったものだ。

「食べようぜ」

結弦は僕を促した後、「いただきます」と言って朝食を食べ始めた。

僕も手を合わせて食べ始める。

けれど、結弦の優しさが胸にチクリと針が刺さったように感じた。


「結弦……もう行かせてくんない?」

玄関。朝食を食べ終わり、身支度を済ませた僕は高校に行くために靴を履いたんだけど……。

結弦にずっと制服を整えられて、中々家から出ることができない。

「だってさ、律の門出だぞ!入学式が大事な会議と被って行けないなんてさ…」

ネクタイを締め直しながらそう言う結弦。

やっと終わったと思えば、今度はポケットからスマホを取り出し「これで完璧!最後に写真取らせてくれ!」なんて言い出す始末。

「これで最後だからな」

僕は諦め半分でそう言い、カバンを持ち直した。

結弦が色んな角度からパシャパシャと写真を撮った後、やっと満足したのかポケットにスマホをしまう。

「もういってくるよ」

僕は結弦からやっと解放されて、玄関扉に手をかけると「最後に!」と呼び止められる。

「何なんだよ」

呆れつつ結弦の方を振り返ると、綺麗にラッピングされた箱が僕の眼の前に差し出されていた。

僕は驚きで目を丸くする。

「サップラーイズ!どうだ、驚いたか?」

声にも顔にも見合わないいたずらっ子のような笑みを浮かべながらそう言う。

「受け取ってくれ」