そして、全員の視線が僕に集まった。
顔を伏せていた藤室くんでさえも顔を上げてこちらを見ている。
逃げ場のない沈黙。
僕は緊張しながらも、何故か教室の時よりもリラックスしていた。
「影野、律です。一年です……。多分ボーカルになると思います……副会長さんに追いかけられていつの間にか自己紹介する流れまで持っていかれました」
副会長さんへの遠回しな皮肉も含みながらも、そう自己紹介をする。
どうしてこんなに落ち着いているのか……。
僕にもその理由はわからない。
けれど、確かに分かったこと。それは、誰も僕の声を馬鹿にしていなかったこと。
向けられている視線も突き刺さらないもので、僕はそれに居心地の良さを覚えた。
「なんで副会長呼びなんだよ!俺のこと、光琉って呼べよ〜」
突っ込むところそこかよ、と思わずズッコケそうになりながら、僕は苦笑い。
「それより、まだ入部したくないか?」
「まあ、はい」
正直にそう答えると、「まじか〜」と項垂れる副会長さん……光琉先輩。
「あとはもう一つ言いたいことがあるんだった!」
すると、急にそんな事を言いガバッと体を上げる。
「俺達にはそれぞれ共通点がある。それは……欠点があることだ」
「そんなの誰でもあるだろーが!」
光琉先輩に向かってそう吠えた藤室くん。
「そうだ。完璧なやつなんていない。けど、欠点がある奴らが集まるからこそ、誰も真似できない最強の武器を生み出せるんじゃないか?最高な音楽を奏でられるんじゃないか?」
光琉先輩は静かに続けた。藤室くんは何も言い返さない。
「切れてしまった糸を紡いで行くように、補い合っていけばいい。それが……俺達新生音楽部だ!完璧を超えた、正解なんてない最高を作り出せるんだ!」
その熱量に、僕達は圧倒された。
けれど、僕は気づいていた。
胸の奥の引き出しにしまっていた『想い』がすぐそこまで飛び出してきていることを。
輝く小さな希望が僕の心にポッと灯されたのだった。
顔を伏せていた藤室くんでさえも顔を上げてこちらを見ている。
逃げ場のない沈黙。
僕は緊張しながらも、何故か教室の時よりもリラックスしていた。
「影野、律です。一年です……。多分ボーカルになると思います……副会長さんに追いかけられていつの間にか自己紹介する流れまで持っていかれました」
副会長さんへの遠回しな皮肉も含みながらも、そう自己紹介をする。
どうしてこんなに落ち着いているのか……。
僕にもその理由はわからない。
けれど、確かに分かったこと。それは、誰も僕の声を馬鹿にしていなかったこと。
向けられている視線も突き刺さらないもので、僕はそれに居心地の良さを覚えた。
「なんで副会長呼びなんだよ!俺のこと、光琉って呼べよ〜」
突っ込むところそこかよ、と思わずズッコケそうになりながら、僕は苦笑い。
「それより、まだ入部したくないか?」
「まあ、はい」
正直にそう答えると、「まじか〜」と項垂れる副会長さん……光琉先輩。
「あとはもう一つ言いたいことがあるんだった!」
すると、急にそんな事を言いガバッと体を上げる。
「俺達にはそれぞれ共通点がある。それは……欠点があることだ」
「そんなの誰でもあるだろーが!」
光琉先輩に向かってそう吠えた藤室くん。
「そうだ。完璧なやつなんていない。けど、欠点がある奴らが集まるからこそ、誰も真似できない最強の武器を生み出せるんじゃないか?最高な音楽を奏でられるんじゃないか?」
光琉先輩は静かに続けた。藤室くんは何も言い返さない。
「切れてしまった糸を紡いで行くように、補い合っていけばいい。それが……俺達新生音楽部だ!完璧を超えた、正解なんてない最高を作り出せるんだ!」
その熱量に、僕達は圧倒された。
けれど、僕は気づいていた。
胸の奥の引き出しにしまっていた『想い』がすぐそこまで飛び出してきていることを。
輝く小さな希望が僕の心にポッと灯されたのだった。



