UN-EQUAL ―不揃いな色の旋律 ―

ガラガラと躊躇なく教室の扉を開ける副会長さん。

「はっ?」

思わず声が漏れた。

なぜならそこには、音響設備が完璧に整った学校とは思えない場所が広がっていたからだ。

「嘘、だろ」

僕の斜め後ろに立っている藤室くんも、呟くようにそうこぼした。

窓から差し込む昼過ぎの光は、キラキラと黒いスピーカーや銀色のマイクを照らしている。
外見のボロさからは想像もつかないほどに整っている環境。春の空気が漂い、少し冷たいけれど、熱を帯びている空気。

「あの、僕……」
「みんな座ってくれ!まずは自己紹介からしよう」

僕が改めて副会長さんの誘いを断ろうとした時、そう言って僕達をソファの方に促した。

促されるままに、この場に場違いなふわふわの革張りソファに座る。

僕の隣にドサッと腰を下ろしたのは、冬馬先輩。

向かいには藤室くんと要先輩が座っていて、一人用のソファに副会長さんが腰を下ろした。

「さて、改めて!俺はこの学園の生徒会副会長で音楽部の部長を務める、塔坂 光琉、二年だ!楽器も歌も、大体は一通りできる。新生音楽部の再構築の原点は俺だ。これからよろしくな!!!」

元気に笑う副会長さんは、今朝の入学式のあの姿からは全く想像できないものだった。

「俺、別に入部するとは決めてねぇ。要に誘われたから見学しに来ただけだ」
「嘘だろ!?」

副会長さんのその言葉に、藤室くんは冷たく言い放った。

「嘘つくわけねーし。今のところ入る気なし」
「冗談言うな!どうにかしてくれよ、要。お前が連れてきたんだろ〜」

泣き真似をしながら、要先輩に擦り寄る副会長さん。

「あ、あの……僕も、正直入るつもりないです。っていうか、無理矢理って感じでしたし」

僕は藤室くんに便乗するようにそう言った。

「はあああ!?」
「「「「うるさっ」」」」

副会長さんの叫びの後に僕達四人のハモリが静かに響く。