UN-EQUAL ―不揃いな色の旋律 ―

背後から聞こえる副会長さんの声を無視し、勢いよく階段を下る。

教室を抜け出したときとはまた違う、胸の鼓動に耐えながらまた走る。

今度は屋上から離れるために一階へ駆け下りた。

一年の教室の前を通り過ぎ、中庭を通り、購買を通り過ぎて……。

無我夢中で校舎を走っていた。

後ろをチラリと見ると走る足音は聞こえるものの、姿はまだ見えない。

今なら撒けると思って走るスピードを上げた……その時――

「あばっ!」

僕は大きな影にぶつかってその場で尻餅をついた。

「……スマン、大丈夫か?」

低く響くような声が僕に声を掛ける。

僕がぶつかったのは人だったようだ。
けれど、廊下の窓から差し込む逆光が顔を隠す。

その人は僕に向かって手を差し伸ばしてくれる。

「は、はい。大丈夫です」

僕はその人の手を借りて立ち上がった。

「見つけたーーー!」

その瞬間、副会長さんと思われる声が廊下に響き渡る。

「冬馬!!お前、そいつ止めろ!」

副会長さんがそう言うと同時に僕は走り出していた。

「おっ」

冬馬と呼ばれたその人はそう短く言って手を伸ばし、僕の腕を掴んだ。

僕はその手に驚いたが思い切り腕を振り、振りほどいて駆け出した。

「はあっ」

息が切れる。
運動が得意でない僕の脚はもうとっくに限界が来ていたが、どうにか手を振って走り続けた。

「高い声…」とぶつかった先輩が聞き惚れたように呟いていたことも知らずに