UN-EQUAL ―不揃いな色の旋律 ―

突然なその言葉に、僕は思わず声が漏れた。

いやいやいやいや、急すぎるって!
それに、この学校には音楽部なんてなかった気が……。

「頼む!俺、この学校の音楽部を復活させたいんだ!それに、影野の声、俺の胸に突き刺さった」

初めて向けられる『期待』の眼差し。

『攻撃』でも『好奇』でもない。

僕はそれに嫌な思いは生まれなかった。

それに、閉まっていた喉も何故かこの人の前では自然に緩む。

「頼む!」

副会長さんに真剣に頭を下げられ、僕はどうしていいか分からなくなる。

けれど、一つだけ確実に分かることがある。
この人は僕のことを馬鹿にしようとだけは、絶対にしていないこと……そして、僕のこの声を、『存在』認めてくれたこと。

僕は思わず手を取りそうになった。

冷静に考えてみろ……律。
メインボーカルということは、歌うということ。部活ということは人前に出るということ。

僕のことを認めてくれていない人が僕の声を聞いて馬鹿にする、それを考えただけで鳥肌がブワッとたった。

「ご、ごめんなさい……!僕、無理です……!」

そして、僕は気が付くと屋上を飛び出していた。