氷雨くんはキッチンで黙々と料理中だ。
手を振ると、ゆっくりとしたまばたきが返ってくる。
「聞いてくれ花耶ちゃん、今日は氷雨くんから何もしかられておらんのじゃ。宿題もちゃんとやったからのう」
ほめてほめて、撫でてー、と一椅子に座ったまま手足をバタバタさせてる一颯くんがかわいくてなでなで開始。
……すごいご満悦だ、一颯くん。
「おれも」
「うん、いいよ」
枯れそうな感じの壱心くんも撫でると、
「おれ、うるおった!」
すぐに元気を取り戻す。
その後ろで美嵐くんと湊くんの会話が聞こえてきた。
「というか玄関から聞こえたけど、湊先輩も花耶先輩とデートしてきたんだ?」
「……デートじゃねぇ」
「男女二人のお出かけ。それをデートっていうんだよ?……でももう──……ね」
ん?最後だけうまく聞き取れなかった。
いやいや、耳を澄まして人の会話聞くのもちょっとって感じだけども。
「花耶、飯の準備だ。手伝え」
「あ、うん今行くね」
美嵐くん、何を言ったんだろう──



