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美嵐くんに手を引かれ、家に着くと玄関にはどことなくしおれた壱心くんが座っていた。
「うわ……壱心先輩、まさかずっとここにいたの?」
「うん。だって……おれもデートしたくて……」
力のない壱心くんに謝りながら、リビングへ行くと甘い香りがした。
「よぉ、おかえり。そいつ、飯も玄関で食ってたぜ」
珍しくリビングに残りの面々が集まっていて、何やらダイニングテーブルの方では一颯くんが何か食べてる後ろ姿があり、ひとりソファに座る湊くんの言葉に私と美嵐くんは顔を見合わせて驚く。
「犬っぽいね先輩は。……あ、そうだ!見てよこれ、花耶先輩からもらったの。色違いあんどおそろい」
「お、オソロイ……?」
見せつけるようにうさぎさんを取り出す美嵐くんに、壱心くんはその場で座り込んだ。
そんな姿を見て湊くんはため息をつく。



