「貸せ。乗せてやるから」
「はい、フォーク」
氷雨くんがケーキをうつしてくれて、美嵐くんの手には二つのフォーク。
「僕も食べていい?食べちゃう!」
「ああ!おれは花耶に……!」
私より先に食べた美嵐くんをつかまえようと壱心くんは立ち上がり、追いかけ始めた。
とりあえず私も、と一口食べれば甘酸っぱいいちごが口に広がり幸せ気分に。
もう一口──
「……ぼくも食べたいのう」
知らぬ間に隣にいた一颯くんが私の袖を引っ張る。……口を開けながら。
「ならフォーク持ってく──」
「これでいい」
ぱくっとフォークにささっていた一口を一颯くんが食べた。
するとすかさず氷雨くんにげんこつをされる。
「何してやがる自分のフォーク使え。持ってきてやったからありがたく使え」
「うう……痛い。本気でたたきよって。ほれ、たんこぶ」
「うるせーお前が悪い」



