一颯くんは声に反応してすぐに体を起こすも、
「今の、普通に話す距離じゃねぇだろが。初日から距離感バグってんのかお前は」
声の主──湊くんが一颯くんの首根っこを掴みソファからおろす。
「む……めんこい顔を近くで見たかっただけじゃもん」
「はぁ?だからってんなやり方する必要ねぇだろうが。風呂入ったなら早く部屋にいけ」
一颯くんがおじいちゃん口調に戻ってるところを見るに、やっぱり今しがたの口調は……少なくとも総長としての一颯くんだ。きっと。
でも、湊くんが来てくれて助かった……。
「分かった分かった。また明日のう。お休み……花耶ちゃん」
「お、おやすみ」
黙っとけ、と言われた返事をするように私は何度も頷きながら手を振った。



