「ずっと会った時から思ってたんじゃ。駐車場に……総長同士のにらみ合いの場に来た子だってのう」
私の顔をまじまじと見下ろし、小さく頷く一颯くんはより私へと顔を寄せた。
思わず顔の前でドライヤーを盾にするも、簡単に払いのけられ床にドライヤーが落ちていく。
「……他の同居人、しかも同じ中学生にぼくが総長とバレるとめんどくさいことになる。……だから──黙っとけ」
「っ!」
おじいちゃん口調も……ゆったりとした話し方も消えた一颯くんの声。
やわらかい表情も……今は冷たさだけ感じる。
これが……一颯くんの素、ってこと?
いや、考えるのは後にしないと。
今は頷いて退けてもらうことが優先──
「何してんだ、一颯」
再度肩を押しながら頷くと同時にかけられた声。



