氷雨くんからの一発を食らう壱心くんはひどい!と抗議するも軽く流され、美嵐くんたちはいつも通りなやりとりに一度引しまったはずの顔をゆるめる。
けど、その姿が男の子たちをいらつかせているようで。
「……一ミリも危機感を感じてないとか、総長の余裕ってやつかよ」
「絶対まとめて倒してやる」
私をさらってきた男の子たちも、周りの子もざわざわしだした。
その声や怖い表情、喧嘩前の空気に体が強張っていると、五人の視線が私に向いていることに気付く。
"つむってろ"──
そう言われてるようで。
私を押さえていた男の子も喧嘩のために離れていったから、壁側に体を向けて目を閉じた。
「……総長五人、まとめてつぶせ!」
背後から聞こえた声に、無数の足がかけ出す音がとどろいた。



