「ああ、もちろん。総長様たちを待ってる間も、この子との追いかけっこも楽しませてもらった」
「……は?先輩と追いかけっこ?……お前ら、先輩のこと追い回したってわけ?」
いつもかわいらしい美嵐くんが、声も表情も怖いものへと変わる。
けれど、この男の子たちに動じる様子はなかった。
「そうっすよ?だってこの子が勝手に逃げたりするから」
「だからって……女の子を押さえつけるとか……それも俺の女神をっ……!」
女神?と理解出来ない壱心くんの言葉に男の子たちは『は?』と声をそろえる。
そのびみょうな空気を打ち消すように、氷雨くんの冷たい瞳が男の子たちをさす。
「素人目にも、こいつがどういう状態か分かるよな?……それとも、それを知ってて追いかけ放置したどアホか、てめーらは」
「仕方ないでしょう、連れてきてから気付いたんですし。気付いたからって簡単に逃がしては連れてきた意味がなくなりますからね」



