「逃げる度胸はかってやるがな。その辺に寝かせておけ。……そろそろいい頃合いだろう」
持ち上げられ、壁側へと雑に置かれうつぶせのまま押さえられる体に痛みが走る。
でも走ったからかもう自分の全てが重く感じて……力なく目を閉じた。
……けれど、それは数秒のこと。
目を閉じた矢先、やけにさわがしい声が聞こえてきたから。
『ぐはっ』という声に、何かが倒れる音も。
「……来たか」
重たいまぶたを持ち上げて、私をつかまえたひとりを見上げると、待ってましたと言わんばかりに笑っていた。
何が起きているのか自分の目で確認しようと、体は押さえられるてるから首だけを動かす。
うつぶせで苦しいけどそんなの構わない。ぼやける視界をなんとかしようとまばたきをくり返し目をこらした。



