だいたい氷雨くんの名前があるのはあまり見たことないものばかりだけど、見せられたパッケージは分かった。
「お前苦いのいける口か?」
「え?食べれるけど……」
「ならくれてやるよ」
袋から出された一粒のアイス。
氷雨がくれるなんて、と思ってるとそのまま口に入れられた。
「んむっ!?」
「ラスト二つのうちの一つだ味わえよ」
氷雨くんも最後の一粒を食べ、袋を捨てる。
口にはほどよい苦味と甘みが広がり、ビター味だと理解した。
うまいだろ?と目で問われてる気がして、何度も頷いてみせる。
「……んー!苦味結構強いけど美味しかった。ありが──」
「へぇ……氷雨はクールと見せかけて、こそこそと花耶にそういうことしてるんだ」
「あと、何かと味見とか花耶先輩呼ぶもんね」
「花耶ちゃんの独り占めはよくないと思うんじゃが?」
「俺、前も似たような場面見たぜ」
堂々とキッチンの左右、カウンターからのぞく面々。
それから氷雨くんに文句をたれる四人のそばで私は苦笑いするしかなかった。



