わずかな距離をダッシュしてやってくる壱心くん。
「おい壱心、んなことしねーでいいから皿ならべろ」
けど……氷雨くんの声に広げられた両手が力なくたれて、キッチンへUターンしていく。
「どれ、壱心のかわりにぼくが。花耶ちゃんおいで」
「抱きしめ係は僕がいるので間に合ってまーす」
「……お前ら、ふざけてねぇで準備手伝えよ」
「はーい……って、湊先輩何しれっと花耶先輩の箸と自分の箸隣なの!?花耶先輩の隣は僕が座るの!今日まだ座れてない!」
「知るかんなもん」
美嵐くんが湊くんから隣を取り返しに行くと、すかさず一颯くんがやんわりと抱きついてくる。
いつも一颯くんはのそのそ歩いてくるから、受け止めやすい。
「やっとくっつけた。んー……さりげなくならいけるかのう」
さりげなく?って何を──……っ!?
考える間も聞く間もなく、ほおに何かが触れた。



