意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

朝食の席は、
いつもより少しだけ――
いや、かなり――空気が違っていた。

「……」
「……」
向かい合って座る
ラジワとアウレリオ。

言葉は少ないのに、
視線が合うたびに、
ふっと柔らかく微笑み合う。

給仕の侍女たちは、
その様子を見て――
(あら……)
(まあ……)
と自然と口元が緩んだ。

果物を取るとき、
アウレリオがさりげなく皿を引き寄せる。
「ありがとう」
「どういたしまして」

それだけで、
周囲の空気が甘くなる。

騎士たちも、
咳払いをして視線を逸らしつつ、
どこかニヤニヤ。

誰も何も言わない。
だが、
全員が察していた。