意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

翌朝。
やわらかな朝の光が、
カーテン越しに差し込んでくる。

ラジワはそっと目を開けた。
――隣には。
静かな寝息。
乱れていない呼吸。

そこにいるのは、
昨夜までと同じ人のはずなのに。
(……なんで、こんなに)
胸がぎゅっと苦しくなるのだろう。

アウレリオは横向きで眠っていた。
長い睫毛。
穏やかな表情。
(……寝てると、こんなに無防備なのね)

ラジワの視線は、
自然とその上半身へ向く。
シーツ越しでも分かる、
鍛え抜かれた身体の輪郭。
たくましい肩。
しっかりとした腕。

(……服の上からじゃ、全然分からなかった……)

昨夜の記憶が不意に蘇る。
いつも余裕綽々で、
からかうように笑う彼が――
必死に。
焦ったように。
ラジワを逃がすまいとする眼差しで。

(……あんな顔、初めて見た……)
ラジワは布団の中で身をよじる。
(ちが……ちがうの……)
(思い出すつもりじゃ……)
でも、
一度思い出すと止まらない。

胸の奥が熱くなる。
(あんなに、私を……大事に、抱きしめて……)
――ダメ。

思わずシーツを握りしめる。
(キャーーーっ……!!)
声にならない悲鳴を、
必死に飲み込む。

頬が熱い。
耳まで赤い。
(わ、私……何を考えてるの……!)