ラジワ誘拐の最初の知らせが届いたのは、
アウレリオが政務の最中だった。
「殿下!
王太子妃殿下の馬車が――
市中で襲撃されました!!」
その瞬間、
世界の音が消えた。
「……何?」
次の瞬間には、
アウレリオは席を立っていた。
飛んで行った現場
――そこに、彼女はいなかった
横転した馬車。
割れた車輪。
血の匂い。
「ラジワは!?」
叫ぶように問う。
護衛の一人が、
顔を青ざめさせて答えた。
「……お姿がありません」
空っぽの馬車。
散乱する持ち物。
(……消えた?)
喉の奥が、
きゅっと締め付けられる。
「王太子妃を見た者の証言は?」
「黒い大男が、
殿下を抱えて馬に飛び乗り、こちらの方向へ――!」
指差された先は国境方面。
アウレリオの目が、鋭く光る。
(クレオールか……!)
怒りが、
一気に臓腑を焼く。
「直ちに国境を封鎖しろ!港、街道、山道、すべてだ!
しらみつぶしに探せ!」
「帝国の密偵の可能性がある!一人たりとも、通すな!」
アウレリオの号令に
現場に居合わせた部下たちがざわめく。
王太子妃を保護するために、
四方八方へ散り散りに消えて行った。
(間に合え……頼む、まだ、奪われるな)
アウレリオが政務の最中だった。
「殿下!
王太子妃殿下の馬車が――
市中で襲撃されました!!」
その瞬間、
世界の音が消えた。
「……何?」
次の瞬間には、
アウレリオは席を立っていた。
飛んで行った現場
――そこに、彼女はいなかった
横転した馬車。
割れた車輪。
血の匂い。
「ラジワは!?」
叫ぶように問う。
護衛の一人が、
顔を青ざめさせて答えた。
「……お姿がありません」
空っぽの馬車。
散乱する持ち物。
(……消えた?)
喉の奥が、
きゅっと締め付けられる。
「王太子妃を見た者の証言は?」
「黒い大男が、
殿下を抱えて馬に飛び乗り、こちらの方向へ――!」
指差された先は国境方面。
アウレリオの目が、鋭く光る。
(クレオールか……!)
怒りが、
一気に臓腑を焼く。
「直ちに国境を封鎖しろ!港、街道、山道、すべてだ!
しらみつぶしに探せ!」
「帝国の密偵の可能性がある!一人たりとも、通すな!」
アウレリオの号令に
現場に居合わせた部下たちがざわめく。
王太子妃を保護するために、
四方八方へ散り散りに消えて行った。
(間に合え……頼む、まだ、奪われるな)



