意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

「……計画があります」
声は、掠れていた。

「公務帰りのラジワ王太子妃を、
馬車の事故を装って拉致し、
帝国へ連れ戻す計画です」

ビンセントの顔色が変わる。
「日時は?」

「……正確には分かりません。
ですが、近日中であることは間違いない」
ソリオは、深く頭を下げた。
「どうか……
どうかラジワ様を、救ってさしあげてください」

その夜。
ビンセントは、
信頼できる部下を数名、
極秘裏にソラリス王国へ派遣した。

命令は一つ。
「ラジワ王太子妃を、
二十四時間体制で守れ」
「帝国の人間が動いた瞬間、
必ず察知し、救い出せ」

彼らは影となり、
市井に溶け込み、
ラジワの周囲を監視し始めた。

そして――数日後。
最悪の瞬間は唐突に訪れる。