意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

最初に異変を察知したのは、
ラジワでもアウレリオでもなく、
ビンセントだった。

宮廷内で交わされる、
ほんの些細な言葉の端々。
人の配置。
動き始めた密偵。

(……嫌な予感がする)
胸の奥がざわつく。
「まさか……ファティマ姉さまだけでなく……」
ビンセントは、拳を握りしめる。
「ラジワ姉さままで……?」

クレオールのやり方を、
彼は嫌というほど知っている。
邪魔な者は、
遠ざけるか、縛るか、
それでも足りなければ――奪う。

ファティマを手に入れた今、
次のターゲットはラジワだ。