「ラジワ」
彼ははっきりと彼女の名を呼ぶ。
「君はもう、帝国の駒じゃない」
そして、迷いなく言い切った。
「お前はソラリスの人間だ。
お前がいるべき場所は――私の隣だ」
アウレリオの言葉に
胸がぎゅっと締め付けられる。
(……こんなふうに、
私を“奪われない存在”として
断言してくれる人がいるなんて)
ラジワは知らず知らずのうちに
唇を噛んでいた。
アウレリオは続ける。
「皇帝クレオールに伝えろ」
声は低く、しかし揺るがない。
「この要求は拒否する。理由は三つだ」
一つ、
「彼女は既に正式にソラリス王国の王太子妃であること」
二つ、
「両国の同盟は“対等”であり、服属ではないこと」
三つ――
アウレリオは、
ラジワを一瞬だけ見てから言った。
「そして何より、
俺は、妻を政治の人質にするつもりはない」
その言葉に、
ラジワの目が潤む。
「……アウレリオ」
彼は微かに微笑った。
「安心しろ。
この件で、君を一人で帝国に返すことはない」
だが同時に、
彼の中では確信が生まれていた。
――ここまで来た以上、
クレオールは、必ず次の手を打つ。
礼儀を捨て、力で奪う手を。
(来るなら来い)
アウレリオの瞳に、
太陽のような決意が宿る。
(俺は、この人を二度と“奪われる側”にはしない)
帝国からの正式要求は、
こうして完全に拒絶された。
そしてそれは――
クレオールの暴走を、
決定的に加速させる引き金となる。
彼ははっきりと彼女の名を呼ぶ。
「君はもう、帝国の駒じゃない」
そして、迷いなく言い切った。
「お前はソラリスの人間だ。
お前がいるべき場所は――私の隣だ」
アウレリオの言葉に
胸がぎゅっと締め付けられる。
(……こんなふうに、
私を“奪われない存在”として
断言してくれる人がいるなんて)
ラジワは知らず知らずのうちに
唇を噛んでいた。
アウレリオは続ける。
「皇帝クレオールに伝えろ」
声は低く、しかし揺るがない。
「この要求は拒否する。理由は三つだ」
一つ、
「彼女は既に正式にソラリス王国の王太子妃であること」
二つ、
「両国の同盟は“対等”であり、服属ではないこと」
三つ――
アウレリオは、
ラジワを一瞬だけ見てから言った。
「そして何より、
俺は、妻を政治の人質にするつもりはない」
その言葉に、
ラジワの目が潤む。
「……アウレリオ」
彼は微かに微笑った。
「安心しろ。
この件で、君を一人で帝国に返すことはない」
だが同時に、
彼の中では確信が生まれていた。
――ここまで来た以上、
クレオールは、必ず次の手を打つ。
礼儀を捨て、力で奪う手を。
(来るなら来い)
アウレリオの瞳に、
太陽のような決意が宿る。
(俺は、この人を二度と“奪われる側”にはしない)
帝国からの正式要求は、
こうして完全に拒絶された。
そしてそれは――
クレオールの暴走を、
決定的に加速させる引き金となる。



