――兄ではなく、支配者
儀式後の謁見の間。
玉座に座るクレオールは、
妹を見下ろす位置から、
ゆっくりと言葉を投げた。
「久しいな、ラジワ」
声は穏やか。
だがその響きには、
上下の差を当然とする響きがある。
「ソラリス王国での生活は、どうだ?」
「……おかげさまで」
ラジワは形式通りに答える。
クレオールは、
隣のアウレリオに一瞥をくれる。
「ほう。ずいぶんと仲良くなったものだな」
口元がわずかに歪む。
「あれほど婚姻を嫌がっていたではないか」
ラジワの胸がかっと熱くなる。
「それは、昔の話よ」
思わず強く言い返してしまう。
「今は違う。私は――」
一瞬、躊躇い。
だが、もう引けなかった。
「私は、この人を愛しているの!」
謁見の間が静まり返る。
クレオールは目を細めた。
「……愛?」
その言葉を、
まるで汚れたものを見るように反芻する。
「愛だの、恋だの。
そんな感情は、皇帝一族には不要だ」
皇帝の顔に浮かぶのは冷笑。
「これだから女は。理性より感情を優先する」
儀式後の謁見の間。
玉座に座るクレオールは、
妹を見下ろす位置から、
ゆっくりと言葉を投げた。
「久しいな、ラジワ」
声は穏やか。
だがその響きには、
上下の差を当然とする響きがある。
「ソラリス王国での生活は、どうだ?」
「……おかげさまで」
ラジワは形式通りに答える。
クレオールは、
隣のアウレリオに一瞥をくれる。
「ほう。ずいぶんと仲良くなったものだな」
口元がわずかに歪む。
「あれほど婚姻を嫌がっていたではないか」
ラジワの胸がかっと熱くなる。
「それは、昔の話よ」
思わず強く言い返してしまう。
「今は違う。私は――」
一瞬、躊躇い。
だが、もう引けなかった。
「私は、この人を愛しているの!」
謁見の間が静まり返る。
クレオールは目を細めた。
「……愛?」
その言葉を、
まるで汚れたものを見るように反芻する。
「愛だの、恋だの。
そんな感情は、皇帝一族には不要だ」
皇帝の顔に浮かぶのは冷笑。
「これだから女は。理性より感情を優先する」



