意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

そして夜になると。

寝室で、
二人は並んでベッドに腰掛けていた。

「……近い」
小さく呟くラジワに、
アウレリオは肩をすくめる。

「今さらだろう」
「今さらだけど……」
頬を染めながら、それでも逃げない。

やがて――
2人の唇が触れる。
最初はそっと。
確かめるような優しいキス。

「……っ」
ラジワが小さく息を漏らす。

アウレリオが唇を離そうとすると、
ラジワの細い腕が伸びてきて
アウレリオの顔を捕らえる。
「もう一回……」
以前なら、
絶対に言えなかった言葉だ。

「……もっと」
そして甘えるように、
胸元に顔を埋める。

アウレリオは一瞬だけ目を伏せ――
(……やれやれ)
苦笑しながら、
彼女を抱き寄せた。

額に、頬に、髪に。
キスの雨を降らせる。
だが――
それ以上はしない。

「この先を望むなら」
アウレリオは低く囁く。
「なんて言えば良いか分かってるだろ?」

ラジワは、
少し不満そうに唇を尖らせながらも――
彼の胸にすっぽり収まる。

意地っ張りな皇女と
策士の王太子の駆け引きは
まだ継続中だ。

2人はそのまま、
仲良く抱き合って眠る。
幸福は、
確かにそこにあった。