意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

第三の策:無視(自爆)

最終手段。
――無視。
話しかけられても、
必要最低限の返事だけ。
視線を合わせない。

(これなら……!)

だが。
「……ラジワ」
静かな声が背中に響く。

「俺が何か、気に障ることをしたか?」
責めるでもなく、困ったように。

(う……)

「君が距離を置きたいなら、それも尊重する」
一歩、引く。

「だが、理由くらいは聞かせてほしい」

……ずるい。
(そんな顔、しないでよ……)

「……別に」
ラジワは、ぷいっと顔を背ける。
「何でもありません」

「そうか」
アウレリオはそれ以上追及せず、
静かに立ち去った。

……なのに。
胸の奥が、ちくりと痛む。

(……私、何やってるの)

その夜。
ラジワはベッドの上で唇を噛んだ。
(逆襲するはずだったのに……)
(全部、私のほうが振り回されてる……!)

遠くで、城の鐘が鳴る。
(……この人)
(本当に、天然なの?それとも――最初から全部、計算なの?)

答えはまだ分からない。
けれど一つだけ、
確かなことがあった。
――アウレリオの存在が、
日に日に、
無視できなくなっている。