意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

第二の策:色気(らしきもの)作戦

(こうなったら……!)

翌日。
ラジワは、
普段より少しだけ胸元の開いた衣を選んだ。
鏡の前で深呼吸。
(べ、別に誘惑じゃないわ。この国は暑いんですもの。
 正妻としての威厳よ、威厳)

夜、
執務を終えたアウレリオが
私室に戻ると、そこには――

「……あら、お帰りなさい」
柔らかい声。
わずかに伏せた視線。

(……どう?)

一瞬、
アウレリオの視線が止まった。

(き、きた……!)

しかし。
「冷えないか?」

即座に外套を脱ぎ、
ラジワの肩にそっと掛ける。

「この国の夜風は強い。風邪をひかれては困る」

(そ、そこ!?)

「似合っているが」
ラジワの耳元に顔を寄せ、
さらっと付け加える。
「今日はずいぶんと大胆だな」
……そして、
それ以上は何もない。

(~~~~!!)
胸が、
意味もなくどくどく鳴る。
(なによそれ……!
 褒めてるの?守ってるの?
 それとも……からかってる!?)