意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

【アウレリオの独白 】

(……本当に)
腕の中の彼女を見下ろし、
アウレリオは小さく息を吐いた。

(可愛すぎるだろ)

強がって。
誇り高くて。
絶対に言葉では負けない。
――なのに。
こうして、身体は正直だ。
(今すぐ抱きしめたくなる)
(触れたくも、なる)

だが。
アウレリオはその衝動を、
すべて胸の奥に沈めた。

(まだだ)
彼女は、
自分から落ちてくる。

怒りも、誇りも、
すべて抱えたまま。
(その時まで。太陽は、じっと待つ)

彼は、
もう一度だけ、
ラジワの頭を撫でた。
「……おやすみ、ラジワ」
その声は、
眠る彼女には届かない。

だが。
その夜、
ラジワは初めて、
安心して眠った。