意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

― 王家の神殿 ―

白い神殿の中央。
天窓から、
真っ直ぐに太陽光が差し込む。

それはまるで、
二人だけを照らす柱のようだった。

アウレリオもまた、
太陽の色を宿す正装に身を包んでいる。

初めて見る、
“王太子”ではなく、
“太陽神に仕える男”の顔。

ラジワの胸が不意に高鳴る。

神官の声が静かに響く。
「太陽神ソラールの前に立つ者よ」

祈り。
沈黙。
そして、誓い。

「ラジワ皇女。
 あなたはこの男を、
 神の祝福のもと、夫として迎えますか」

ラジワは、
一瞬、息を呑む。
――逃げ道は、ない。

だが。
視線の先で、
アウレリオがこちらを見ていた。

初めて、
距離を取らない視線。

「……はい」
声は、震えなかった。

そして次は、アウレリオ。
「アウレリオ王太子。
 あなたはこの女性を、妻として迎えますか」

彼は、
迷いなく答えた。
「迎える」
短く、だが確かに。

神官が、
太陽光の下で宣言する。
「ここに、
 太陽神ソラールの祝福のもと、
 二人の婚姻は完成した」

その瞬間。
天窓からの光が一層強く、
二人を包み込んだ。
――逃げ場のないほど、暖かく。