意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

ひとしきり泣いたあと、
ラジワには別の感情が生まれてきた。

――どうして。
どうして、
誰も私の手を引いてくれなかったの?
皇女だから?
帝国のためだから?
陛下のご命令だから?
……そんな言葉、
もう聞き飽きた。

私は確かに皇女として生まれた。
けれど、
“駒として生まれた覚えはない”。

セリオの言うことは、
皇帝に忠実な臣民としては正しかった。
皇帝の命令には逆らえない。

帝国の臣として、
それを受け入れる。

それが、大人の選択。
分かっている。
頭では痛いほど。
でも――それでも。

「どうかお幸せに」
その言葉を、
どんな気持ちで言ったの?

私が、
望まぬ場所へ送られるその瞬間に。
あなたは、
私の人生から手を引いた。
守ろうともしなかった。
奪おうともしなかった。

ただ、“諦めた”。

静かな怒りが遅れてやってくる。
最初は何も感じなかった。
心が空っぽで、
涙すら出なかった。