意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

ビンセントは身を乗り出す。
「やっぱり!姉上って拗ねると長いでしょ?」

「無言になるし、目を合わせない!でも離れようとすると、
袖を掴んで構ってちゃんになる」

アウレリオは感心したように頷く。
「よく分かってるな」

「生まれてからずっと、弟をやってますから」

ラジワは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「やめなさい!!二人とも!!」
(この二人をくっつけると、本当にろくなことにならない……!)

ビンセントはケロッとした顔で、
「でも安心してください、姉上。兄上なら、どんな小悪魔姉上でもちゃんと受け止めてくれますから」

そして、
わざとらしくアウレリオを見る。
「ね?」

「もちろんだ」
アウレリオも即答する。

ラジワは深くため息をつき、
額に手を当てる。
「……次からは、朝食は静かに食べましょう」

ビンセントとアウレリオは、
顔を見合わせて――
同時に笑った。