意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

朝の光が差し込む、小さなダイニング。

王族としての公式な顔は外し、
アウレリオ、ラジワ、
そしてビンセントの三人だけの、
完全プライベート朝食。

穏やかな空気――
だったはずなのに。

カチャリ、と紅茶のカップを置きながら
ビンセントが満面の笑みで口を開く。
「兄上、やっぱり昨夜も姉上は小悪魔でしたか?」

ピタッ。
ラジワの手が止まる。
「……ビンセント?」
爽やかな朝に似つかわしくない、
低い声だ。

一方アウレリオは、
何の迷いもなく、涼しい顔で答える。
「ん。最高だった」

「ちょっと、アウレリオ!!!」

即座にラジワの雷が落ちる。

ビンセントは両手を上げて、
無邪気を装いながらも目がキラッキラ。
「だってぇ。
昨日、僕がちょっとからかいすぎたから。姉上が拗ねて、兄上をだいぶ困らせたんじゃないかなーって」

アウレリオは一拍置いて、にやり。
「弟よ、大正解だ」

「えっ、ちょっと!?
なんでそこで意気投合するの!?」