意地っ張りな私が策士な王太子に囚われて

あまりにも横柄な態度に
アウレリオが拳を握りしめたその瞬間。

「――黙れ」
国王が机を叩いて立ち上がった。
「誰に向かってその口を利いている!」

王の怒りが会議室を震わせる。
「ここはソラリス王国だ」
「属国であればいざ知らず、皇帝だろうと何だろうと、我が国の主権を踏みにじることは許さん!」

国王は、
はっきりと指を突きつけた。
「会談は終わりだ。さっさと帰れ!」
「我々の回答は、後日――正式な文書で通達する!」

逆鱗に触れたことを理解し、
使節団がざわめく。
「国王陛下、それは――」

「聞く耳は持たん!」
国王は扉の方を向き、短く命じた。
「近衛隊。彼らを、国境まで“護送”せよ。一刻も早くな」

国王の命を受けて、
近衛兵たちが一斉に踏み出す。

使節団は屈辱に歪んだ表情のまま、
半ば引きずられるように
会議室を後にした。

扉が閉じた後、
室内には重い沈黙が落ちる。

アウレリオは拳を握り締めた。
(……やはり、来たか)
一度ならず、
誘拐未遂も含めればこれで三度目の要求だ。
クレオールは絶対に引くつもりはないらしい。

だが――
アウレリオは確かな覚悟を胸に刻む。
(何度来ようと。俺は、この国と――ラジワを守る)
彼は踵を返し、
真っ先に王太子妃の私室へと向かった。