その夜 ――ラジワは魘されていた。
深夜。
王太子夫妻の私室で、
ラジワははっと息を呑んで、
飛び起きた。
「……っ!」
額には冷たい汗。
喉がひくりと鳴る。
(暗い……冷たい……)
(鉄の匂い……)
夢の中で、
彼女は鎖に繋がれていた。
石造りの牢。
光の届かない場所。
鉄格子の向こうで、
クレオールが笑っていた。
――二度と、アウレリオには会わせない。
その声が、
耳に残っている。
「……っ、はぁ……」
震える呼吸の音に、
隣で眠っていたアウレリオが
すぐに目を覚ました。
「ラジワ?」
上体を起こし、彼女の顔を覗き込む。
「どうした?怖い夢でも見たか?」
その声を聞いた瞬間――
ラジワの堪えていたものが、
一気に溢れた。
彼女は何も言わずに
アウレリオに抱きつく。
「……兄に捕らえられる夢を見たの」
胸に顔を埋め、
震える声で続ける。
「暗くて……冷たくて……」
「もう、貴方に二度と会えないかと思った……」
アウレリオの腕が、
即座に彼女を包み込む。
強く、けれど決して痛くならないように。
「そんなこと――」
低く、断言するように。
「俺がさせるわけないだろ」
深夜。
王太子夫妻の私室で、
ラジワははっと息を呑んで、
飛び起きた。
「……っ!」
額には冷たい汗。
喉がひくりと鳴る。
(暗い……冷たい……)
(鉄の匂い……)
夢の中で、
彼女は鎖に繋がれていた。
石造りの牢。
光の届かない場所。
鉄格子の向こうで、
クレオールが笑っていた。
――二度と、アウレリオには会わせない。
その声が、
耳に残っている。
「……っ、はぁ……」
震える呼吸の音に、
隣で眠っていたアウレリオが
すぐに目を覚ました。
「ラジワ?」
上体を起こし、彼女の顔を覗き込む。
「どうした?怖い夢でも見たか?」
その声を聞いた瞬間――
ラジワの堪えていたものが、
一気に溢れた。
彼女は何も言わずに
アウレリオに抱きつく。
「……兄に捕らえられる夢を見たの」
胸に顔を埋め、
震える声で続ける。
「暗くて……冷たくて……」
「もう、貴方に二度と会えないかと思った……」
アウレリオの腕が、
即座に彼女を包み込む。
強く、けれど決して痛くならないように。
「そんなこと――」
低く、断言するように。
「俺がさせるわけないだろ」



