でも急に、「泣きそう」って言いながら腕を組んで机に突っ伏すから、思わず「ごめん、無責任だったかも!」って、慌てて謝る。
本当に…泣いてるの?
…本当に?
グスッ、と鼻をすする小さな音が聞こえる。
声をかけるのが、怖くなるくらい。
「…は、晴海」
恐る恐る呼ぶと、机の隙間から、綺麗な瞳がのぞいて、「泣いてないよ」って、クスクス笑った。
…心配になるから、やめてよね。
「ごめんね、いらないこと言っちゃったのかと」
「はは。夏井の言葉に、いらないことなんてないよ」
また、そうやって。
今日、天気いいね、みたいな。
そんな感じで言わないでって。
私だって、晴海が紡ぐ言葉は全部、大切で、必要なんだから。
不用心に、トキメク言葉なんて口にしないで。
晴海はそっと起き上がって、プリントをまとめる作業を再開する。
その横顔につられて、私もホッチキスを手に取った。
パチン。パチン。
何度かとめたそのとき、晴海はふと、思い出したように呟いた。



