人はきっと、誰でも。
心のどこかに、ひとつくらい影を持っていていい。
私なんて、ひとつどころじゃない。
ひとつ、ふたつ、いつつ……数えきれないくらい、抱えている。
それは、違う世界の人間だとか、キラキラの中に入れないとか、そういう話じゃなくて。
今、目の前にいる晴海は、晴海で。
光があっても、影があっても、それでも、晴海で。
「……晴海は、私と違って、キラキラしてるよ」
私の夏。
眩しくて、触れたら熱を持ちそうで、でも、確かにここにある。
晴海は、私の夏だった。
「……だから、そういうのが俺は——」
晴海の声に、かぶせるみたいに言葉がこぼれた。
「でも、ずっとキラキラしててほしいなんて、微塵も思ってない」
晴海は、晴海だ。
もし光を失ったとしても、それでも変わらない。
「確かに、晴海はいつもたくさんの人に囲まれてるし、優しいし、人気者だし……そういうところ、いいなって思う」
一度、息を吸う。



