青に溶ける、きみ。




なんで、私に。
そんな疑問が浮かびかけて、ふと横を見る。


晴海の横顔は、今日の午後一番の授業みたいに、静かに影を落としていた。


見なかったことには、できなかった。



胸の奥で、何かがすとんと落ちる。
あぁ、きっと——昼休みに見かけた、あの女の子と。それか、まだ学校に残ってる理由に、関係があるんだろう。


ホッチキスの音が止まった教室で、私は何も言えないまま、揃えられたプリントの端を見つめていた。



「……晴海。私、うまく答えられるかわからないけど、話を聞くことならできるよ」




ホッチキスをそっと机に置いて、両手をスカートの上でぎゅっと握りしめる。



晴海は一度、深く息を吐いた。
背もたれに体重を預けて、ほんの一瞬だけ窓の外を見る。
それから、覚悟を決めたみたいに、私のほうを向いた。



「最近、俺のことを好きになってくれた子がいるんだけど」



ぽつ、ぽつ、と。
雨が落ちるみたいに、言葉が零れはじめる。



「凄い上から目線かもしんないけど、今までは告白されて断っても、これからも友達でいようねってお互い笑って終われたんだ」



晴海は机の一点を見つめたまま、続ける。