“人を好きになったことある?”なんて、一体私にどんな答えを求めているのか。
好きになったことある?もなにも、今目の前にその対象がいる。
晴海がどういうつもりなのか分からず、かといって求めている答えをどうにか出したい気持ちもあって、質問に質問返しをしてしまう。
何か答えなきゃ、という気持ちだけが胸の奥で膨らんで、
私は結局、逃げるみたいに問いを返してしまった。
「それって……どういう……?恋愛、みたいな?」
そう聞いた瞬間、胸の奥がひりついた。
隣に晴海がいることも、その本人から投げられた問いだということも、全部が重なって、必要以上に言葉に反応してしまっている気がした。
もしかしたら、家族とか。
長い付き合いの友達とか。
そういう話かもしれないのに。
「恋愛」
短く返ってきた声。
「……あ、そっか」
それ以上、何も続かない。
どうやら、勘違いではなかったらしい。



