青に溶ける、きみ。




球技大会から三日が経った昼休み。



「…あの、晴海くん、いるかな?」



緑とお弁当を食べている最中、他クラスの女子が顔を赤くして訊いてきた。


ちょうど扉に近い席だったせいで、いやでもわかる。

その空気の先に、あの人がいること。



緑がちらりと私を見る。
私は「大丈夫」と目で返す。
でも、心の中は全然大丈夫じゃない。


「呼んでくるね」と女子に告げ、お箸を置いて立ち上がる。

奥の方の席にいる晴海を、友達と楽しそうに食べるその背を見つめながら、どうか、お願い、と心でつぶやく。



「晴海、女の子、呼んでる」



そう伝えると、周りの男子たちは「また晴海かよー」と口々に。

冗談半分、少しの落胆が混ざる。

私も、心の中でつぶやく――またですか、って。


球技大会が終わってから、晴海への告白ラッシュは止まらない。
緑曰く、三年ということもあって、余計に加速してるらしい。

卒業前にどうしても伝えたい――その気持ち、すごいな、と思う。


なのに、晴海はなぜか私をじっと見つめて、立ち上がった。



「な、なに?」

「別に?」



そう言って、その子のところへ行ってしまう晴海。

なに、なんなの。