「…すごい試合だったね。おめでとう」
そう言うと、両手を差し出してくる晴海。
つられて私も手を伸ばすと、勢いよくパチンと重なった。
「いえーい!」
そのまま、私の手を離さない晴海。
ああ、もう――晴海ってば。
全然、私の気持ちに気づかないんだから、困る。
胸がどうしようもなくいっぱいになって、つい、ぎゅっと手を握り返す。
晴海の顔、見れない。
熱い。
手も、熱い。
「…は、るみ。私たち、行くね」
「ん。おつかれ」
耐えきれなくなって、自分から手を離す。
また晴海と触れられたうれしさで、胸がいっぱいで。
閉会式に向かって緑と歩き出すと、視界がじんわり涙で滲んだ。
「大丈夫?」
「…っ、ちょっと、いっぱいいっぱいで」
悲しいとか、そういう感情じゃない。
ただ、心がいっぱい。
今にも溢れ出しそうな気持ちが、晴海の手に掬われているみたいで、うれしくて、満たされて。
でも、まだ足りなくて、この胸の奥の全部を、晴海に掬ってほしいって思っちゃったの。



