青に溶ける、きみ。


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「惜しかったね~」

「最後、私がもっと走ってたらボールに追いついたのに」

「緑のせいじゃないからね?みんな頑張ったよね!」



女子サッカーは惜しくも決勝で敗れ、準優勝。


男子の決勝が始まるまで、テントの中で待ちながら、視線を外せば、周りは女子ばかり。

黄色い歓声が夏の光の中で跳ねる。



「みんな晴海のファンなんじゃない!?」

「あは、みんながみんなそうではないと思うけど」

「まあ、それはそうか」



ホイッスルが鳴ると、決勝戦が動き出す。

相手は2年生。風を切るように走る晴海の姿は、誰よりも輝いて見えた。

ボールを奪ってシュートを打つけれど、少し外れる。



「晴海なにやってんだよー!」



クラスメイトから愛のある声援を送られながら、時折テントのほうをみて笑う晴海から目が離せなかった。

太陽の光のように眩しく、爽やかで、吸い込まれそうな青。



「晴海、はちまき腕につけてんだね」

「あ、うん…そうだね」



緑に気づかれないように、なんでもないフリをする。

でも、胸の奥でドキドキが波のように打ち寄せて、心臓がうるさい。