視界いっぱいに広がるのは、晴海の爽やかな青。
空よりも、プールよりも、まぶしい色。
こんなふうに見えるのは、きっと夏のせいだけじゃない。
――晴海が、私を見てる。
見てて。
どうか、見てて。
あなたの視界に、私を入れて。
あなたの夏に、私を混ぜて。
私も、ちゃんと見てるから。
視線の先は、いつもひとつしかなくて、そこにいるのは、晴海だけだから。
晴海は階段を下りながら、
「けがはすんなよー」
なんて、少しだけからかって、風みたいに行ってしまった。
手を後ろに回すと、指先に触れるはちまき。
まだ、温度が残っている気がする。
晴海。
晴海の。
胸の奥が、ぎゅっと締めつけられて、理由もないのに、泣きたくなった。
窓からさす夏の光が、やけに滲んで見えた。



